卒業論文2009
卒業論文2010
(ゼミ論文)09年
博物館から見る戦争 ~広島・沖縄・靖国の戦争イメージ~
沖縄市中心市街地再開発事業について ~米軍基地周辺における街づくり~
日本におけるグローバリゼーションとは
「閔妃暗殺」に対する日韓認識の比較 ~大衆的歴史表現メディアを中心として~
韓国の大衆媒体(マスメディア)で扱われた沖縄関連コンテンツ分析
在外被爆者問題 ~援護法適用をめぐって~
(卒業論文)
沖縄における国際観光マーケティング戦略 ~韓国の「観光ビジョン21」に学ぶ~
‘88ソウルオリンピックの足跡 ~招致から開催までの歴史的分析を中心に~
与那国島外交の国境を越える挑戦 ~与那国町報告書(‘05~’08)の分析を通して~
米軍再編に伴う沖縄の自衛隊再編(2005年~2009年)
武道国際化への道 ~日本の伝統的競技を比較して~
社会党政権転換とは ~三つのレベルにおける要因の分析~
永住外国人の地方参政権付与法案はなぜ成立しないのか~促進要因と阻害要因を探る~
(修士論文)
沖縄パブリック・ディプロマシー~沖縄基地問題を中心に~
2010年度は、以下の6点の卒論が提出された。
①「鳩山首相はなぜ意見を変えたのか‐普天間問題における政策決定と集団思考」
②「『観光地』沖縄を考える‐『楽園』としてのハワイから学ぶもの」
③「国際恋愛の映像(映画・ドラマ)分析から韓流に植民地主義を疑う」
④「なぜ日本人は閔妃殺害事件を知らないのか?‐日韓歴史認識における教科書問題の構造」
⑤「被爆者援護法‐その成立過程を中心に」
⑥「人道援助にみるグローバル・ガヴァナンスの形成‐北朝鮮に対する国連・国家・NGOの援助活動を通して」
優秀論文として、④の論文を選出した。
この論文は、「なぜ日本で閔妃殺害事件が広く認知されていないのか?」という命題に対して、日本の過去の高校教科書の詳細な検討および日本の学校教育制度から分析を試みたものである。その内容に、堅実な論証とオリジナリティーが十分に発揮されている点が見られたことが、選出の理由である。同論文が扱った方法は、おそらく先行研究にないもので、韓国の学会において発表しても十分評価されうるものだと感じている。
他にも、I・ジャニスの集団思考のパラダイムを用いて、鳩山首相の意思決定に迫った①の論文、韓流の映画やドラマを「植民地主義」という点から再検証した③の論文も、優秀論文に負けずオリジナリティーを有する好論文であった。差があるとすれば、堅実な論証と構成を④の論文が他よりも少し有していた点であったと思う。
その他、沖縄とハワイを比較して、沖縄への観光政策の新提言を探った②の論文、対北朝鮮援助をグローバル・ガヴァナンスという視点から検討した⑥の論文、被爆者援護法の成立過程を扱った⑤の論文も、卒論のレベルをクリアしたものであり、その努力を評価したい。
今年も、優秀論文の選出にあたり、非常に悩んだ年となったことを、指導教員として、うれしく思っている。同時に、6人がこれからそれぞれの道で、卒論に向き合った経験を活かして、活躍してくれることを願いたい。